たぬくまさん

たぬくまさん
サムネ:たぬくま.jpg
退治屋稼業を「企画」として立ち上げた最初のお方です。
代表作は「退治屋稼業~すべてのはじまり~」。
第1話完成と同時に「続きは皆さんがどうぞ」と世界観を全面開放。
それ以降、退治屋稼業企画では20本以上のストーリー漫画作品と、30本以上のギャグ漫画作品が描かれました。
そして2014年2月20日に企画は9周年に。
長い間、企画そのものを支え続けているリーダーです。
分からない事や「退治屋でやってみたいこと」があればとりあえずたぬくまさんに相談だ!
誰かが退治屋イラストを描かれたときは
9割以上の確率で発見、コメントされるなど「配慮の人」でもあります。

今回はその最初の人に迫ります!

※インタビュー中の太字部分は「蒼」のコメントです。


BTドレスさんの「使ってキャラ」を使おうと思った動機を教えて下さい!

BTドレスさんと私は、その頃コミックアジトというSNSを通して知り合いでした。
今現在、マンガ読もSNSのほうに集まっている何人かもその頃からのお付き合いです。
このSNSでは、お互いのキャラを交換して描いたり、
バースディ記念絵を交換したり、
とにかく描くのが楽しい!っていう時期でしたので、
BTドレスさんが、自分のキャラを自由に
使ってくださいという「使ってキャラ」を披露してくれたときも、
「わっ!使いたい」ってすぐに思ったのです。

――確かに、コミックアジトでの交流が盛んな時期でしたね。
そしてブログ全盛期でもあったので、みんな何故かエキサイトブログをやっていた(笑)。
それにしても、そこでまだ原型がほとんど無いキャラクタを
すぐに「わっ、使いたい」と思えるのはかなり積極的だと思います。


「使ってキャラ」を「退治屋」と設定した理由や経緯などがあれば教えて下さい。

BTドレスさんの「使ってキャラ」に間をおかずに、
「カイザー」「ミーナ」「フェイス」が公開されました。
「カイザー」は女の子キャラに設定してたのかなと思ったのですが、
これを男性として描くと萌えるわ、と思ったので、
男の子キャラに描き直し、
一緒に「ミーナ」も「フェイス」もたぬくまバージョンとして描いてみました。
さらに「カーズ」「ライズ」「ネイル」が出ていたので、
それらを使って、コミックできないかなーと
思っているうちに、なんとなくシナリオっぽいのをブログに発表。

――この頃の私は「たぬくまさんが何か新しい事に挑戦してらっしゃる」と思って眺めていました。
自分好みに性転換して描いたつもりが、元から男性キャラだったというのは、嬉しい誤算ですね。

コミックにするにあたって

インタビュー:たぬくまさん:三人組.JPG
コミックにするなら、はっきりした太い線で、
あまり細部にこだわらずに描こうと決めて、
シナリオの部分だけコミックにして、これもブログに公開しました。
ただ、今となっては、なぜ退治屋稼業と名付けたのかとか
思い出せないのですよね~。

――実際、チョビクロも退治したかどうかははっきりしない描写ですよね。
でも、それでも「退治屋」として何かと戦う3人組だと…
あの作品が完成した瞬間、決まったわけで。

インタビュー:たぬくまさん:チョビクロ.JPG
カイザー達は確かに害虫退治を実行しましたが、
チョビクロが、そしてライズとネイルがその後どうなったのかはボカした表現になっています。


コミック作成中の裏話

BTドレスさんが喜んでくれていたので、
続けてページをアップしていたうちに、
蒼さんが自分のブログで「気になるコミックがある」という記事を書いてくれて。
それで勇気づけられて続けました。

――すみません、記事を書いたはずの私がそれを記憶していません!(何故だ)
でも、そこで既に関われていたと知って、今とても嬉しいです。
私が覚えているのは、連載途中からとても気になる漫画だったということです。
当時炭さん(スミヨシさん)が「Level.0」を第1話完成より先にアップして
雰囲気を盛り上げてらっしゃるのもあってか、企画自体がとても楽しげに見えました。
眺めているうちにたぬさんの寡黙なフェイスと、
炭さんのちょっと影のありそうなフェイスの両方にハマって。
勢い余って、「たぬくまさんのフェイスの戦闘シーンはまだですか!?」と
聞いてしまったのは今でも覚えています(笑)。
そしたら逆に「ミーナの必殺技がまだ決まってないから、考えない?」と持ちかけて頂いて。
「こういう風に関わっていいんだ」という驚きもあり、私は本格的に退治屋にハマりました。

インタビュー:たぬくまさん:ミーナ2.JPG
ジャイアント張り手も、公募の結果採用されたミーナの武器(?)だったのだ。


宇宙船に関して

インタビュー:たぬくまさん:おっとっとSP.JPG
宇宙船に関しては、その頃やはりコミック描き仲間だった
嵐山さんのお絵かきBBSに出入りしていた、
Ototspさんという方が、とてもメカがお上手でしたので、
ぜひデザイン頼もうと思っていて、そこだけ描きこみを残していました(笑)。

――退治屋は始まったときから既に、
たぬくまさんが色々な人に声を掛けながら進んでいる企画でした。
~すべてのはじまり~そのものも、色んな人のアイデアが詰まっているんでしょうね。
始まったときから色々な人が関わっているから、きっとこれからも色々な人と関わっていく。
そんな気がします。


連載開始後のお話

ページをアップするごとに皆様の感想が入り始めて、
ミーナの武器やカイザーたちの戦闘服は公募ですw
ミーナは拾ったというページを描いたときに、
嵐山さんが、「いいなあ、オレも拾いたい」っていう感想に
続けて「自分も描きたいなあ」という感想をつけてくれたので「喜んで」と答えました。

――戦闘服は版権ネタの笑えるやつまで出てましたよね(笑)。
略すとDBになる漫画の。そういうネタが飛ぶくらい、勢いがあった。


もともとBTドレスさんの「使ってキャラ」企画に乗った作品でしたし、
自分もほかのオリジナル連載を持っていたので、そちらも描きたいしでしたので。
さらに、数ページアップしたときに、
今度はスミさんが、「思いついたのがあるので描いていい?」と言ってきて
くれました。

――途中でどんどん、色んな人が自ら巻き込まれに来た感じですね。
そして退治屋ブームが巻き起こった。


ほとんどの仲間が、お絵かきBBSでの勝手な連載などに内輪キャラとして出演したりさせてもらったり
という付き合いがありましたので、「もーもー乗ってくれるならドンドン!」な感じでしたし^^
それで生まれたのが、スミヨシさんの「退治屋稼業level.0」
私の第1話が終わる前に発表されたという面白いものになったのと、
フェイスも実はカイザーに拾われたというようなベースが組み立てられたのです。

――元々、内輪ネタから始まったようなところはあったのが
想像以上に大きな企画に発展した、ということでしょうか。


第1話を中心に、カイザー達の物語がたくさんの人に紡がれていくのはどんな気持ちですか?

私の第1話が終わったあとに、
約束通り嵐山さんがコミックを連載してくれました。こちらには、同じBTドレスさんの
「使ってキャラ」から「シーザー」が出演しています。
SF風味とアクションのたっぷり入ったかっこいいストーリー!
ただ、嵐山さんが、連載が続きすぎて他にも描きたい人がいるときに待たせすぎちゃうのじゃないか、と言ってくれ、
それで他に描きたい人、自由にどうぞ!パラレルワールド設定ありですから、じゃんじゃんやってください、という風潮が出来上がったのです。

――パラレルワールドって、そんな経緯で許可されたんですね。
あんな初期からパラレル可、というのは
企画として少し不思議だなと思っていたのですが、謎が解けました。


ギャグのほうでも、美しいカラーコミックをsuiさんが仕上げてくれたり、そこからはいろいろな方が描いてれました。
たくさんの方が、いろいろな設定で「退治屋稼業」の世界を膨らませてくれました。
最初のうちは、そうなるように仕掛けも誘導もしていましたが、第2次ブーム(?)の最近では、どちらかというと皆様に
ひっぱられるようにして、この世界に関わっている、という感じです。感謝です。

――コミックアジト時代が第一次ブームとすると、
イレイスリレーは第二次ブームという印象ですね。
コミックアジトが閉鎖されてしまって、
連絡が付かなくなってしまったお友達も増えて、少し寂しかった時期に、みんなどんどん帰ってきた(笑)。

インタビュー:たぬくまさん:イレイス(炭).jpg
戻らずにいられなかったのは、リレーに参加していたメンバー達だったのかもしれない…!?


カイザーを描くときに注意していることはどんなことですか?

インタビュー:たぬくまさん:カイザー.JPG
カイザーは「おバカ」、いいかえれば単純な奴、ただ仲間を見捨てないし、決めるとこは決めるヤツ、と思っています。
ほかの方が描いてくれる場合も、共通してそんな性格になっているのが面白いです。
描き方としては、触覚ヘアーがある感じに描いていました。
刺青の入れ方がよくわからなかったので、BTドレスさんに聞いた覚えもあります。よく忘れますし(w)

――カイザーの性格は驚くほどブレませんよね。
誰が描いても根本に持っている意見が似ているので、さすが主人公だなぁと思います。


フェイスを描くときに注意していることはどんなことですか?

インタビュー:たぬくまさん:フェイス1.JPG
私の場合のフェイスは、カイザーに寄り添っている寡黙な相棒といったところでしょうか。ミーナとカイザーの間で
オロオロするところもある感じで描いていました。
皆さんのフェイスがホントウにかっこよくて参っちゃいます。
フェイスは、描き手によって、うんと年上に描かれたり、
カイザーと同年齢らしく描かれたりするのが面白いですね。

――フェイスの設定はどんどん増えたり分岐したりしましたね。
私は~すべてのはじまり~では武器と銃器のプロという印象を受けたんですが、
サムライとして描く人が多いような気がします。

インタビュー:たぬくまさん:フェイス2.JPG
フェイスがモーニングスターを扱っている貴重なシーン。


ミーナを描くときに注意しているとはどんなことですか?

インタビュー:たぬくまさん:ミーナ.JPG
うちのミーナは、経理も担当している結構しっかりものなのでw、
カイザーを蹴ったりなぐったりしょっちゅうです。
後にBTドレスさんが描いてくれているミーナにも近いかもw
ツインテールを描いたことがなかったので、
最初に描いた設定絵をいつも見直しながら描いていますw


――確かにライズとネイルの前ではカイザーが何かを言うたびツッコミ入れてますね。
大きな猫の手足という特徴もあってか、暴力的に見えすぎないのがいいなと思います。


退治屋の世界観や空気感を出す時に、意識した部分はどんなところですか?

あまり細部にこだわらず、しっかりとした線で、
ちゃっちゃっと描いていこうと意識しました。
SF想定ですが、最初と最後の宇宙船が出てくるシーン以外は、
普通の住宅地が設定場所でしたし、あまり凝ってないですねー。
退治屋のフランチャイズについては、
段階があること、リブフリー(LivFree)という大きな組織があること、
ポイントだのお金だので動くこと、あたりをざっくり想定していました。

――そういった設定の話は、実は全部~すべてのはじまり~で描かれていますね。
私はモニタが浮いているのが印象的でした。「あ、近未来なんだ」って。


第1話では、退治屋と子供達、チョビクロの不思議な関係が描かれますが、シリアスなテーマを題材にされた理由があれば教えて下さい。

いあ、これ(チョビクロ)をシリアスといっていいのかどうかwww
まあ、何かを「退治」しないと
退治屋として成り立たないので考えたというか、
最初に書いたシナリオに従っていったらあんなふうになったというか、、、。

――種の保存を叫ぶ鶏と、それと共存したかった人間の子供達いう時点で、充分シリアスですよ。
その、ちょっと複雑な感じがまた、惹かれてしまったところです。

インタビュー:たぬくまさん:チョビクロ(搭乗).JPG
害虫認定されてしまった種族にも、生きる権利はあるはずだと主張するチョビクロ。


SWAT編で初めて「タヌー・ゼステロージ」が登場した時、どんな気持ちでしたか?

自分の名前がついたキャラを出してもらえるっていうのは、
純粋に面白かったですが、SNSでは前からお互いのキャラを
内輪コミックに登場させるというのをやり慣れていましたので、
ものすごくびっくりしたというよりは、
「あ、やってくれてる^^」という受け取りでした。

――想像以上にナチュラルに受け止めてらっしゃった(笑)。


後にタヌーは「デキる大人」から「天才美少女」へと一般的に描かれる姿が変化していきましたが、どちらが好みですか?(笑)

わはは。想定ですので、どちらでもOKです。似てますし(爆

――大胆な回答ですね。
ここだけの話…って、ここでバラしてしまうと内緒話にもなりませんが、
私は天才美少女の方に慣れるのに少し時間が掛かりました。
「リブフリーの社長」と「少女」がなかなか結びつかなくて。
美少女バージョンがあまりにも可愛すぎたんです(笑)。
でもイレイスリレーに参加するために何度も成り行きを読み返すうち、
リレーも進んでいき、色々な人がタヌーを描くようになると慣れてきて
どちらも素敵なタヌー閣下だと思うようになりました。


その他、今後退治屋作品を描くメンバーさんへのアドバイスや、たぬくまさん自身の意気込みなどを教えて下さい!

一つのSNSで、大勢が「退治屋、退治屋」と言っていると
何となく面白くないと思う方や入りづらいと思う方がいらっしゃるかもしれませんが、
まあ、できれば飛び込んできてみてください。どなたも大歓迎です。
そのあたりは自由にやってもらえる土壌はあると思うので、
あまりかまえないで欲しいなあと思います。
BTドレスさんとはお会いしたことがないままの長い付き合いですが、
たぶんこういう動きを一緒に喜んでくれる方なので安心して動けます。
ほかにも手助けを言ってくださる方がたくさんいてくれて、ほんと感謝!
また新しいイベント(近くは、バナー絵募集。年末は久々にカレンダー絵募集)でもやりたいなと思う日々。
なかなか公式HPが滞っていることが申し訳なく思っていますが、
整理するたびに、いかに大勢の方が関わってくれたかをしみじみ感じます。
これからもよろしくお願いします。

――ありがとうございました。


まとめ

たぬくまさんは初期は企画の方向性の提示や情報の整理をしてくださっていました。
中期~現在は少し離れた立場から常に見守って下さっています。
本当のはじまりから今日に至るまでの経緯を細かく答えてくださった文章を読んで、
「ああ、本当に始まりの人なんだなぁ」と改めて実感しました。
その始まりに、自分のブログ記事が関わっていたというのを
すっかり忘れてしまっているという私ですが、
こうして思い出させて下さって、ありがとうございます。

退治屋のイラストが上がるとほぼ必ずコメントされるたぬくまさんを見て
「一貫しているなぁ…」といつも尊敬していました。
1年や2年なら、ちょっと頑張れば誰にでもできますが、
退治屋稼業企画はもう9年です。
そのほとんどの期間、ずっとたぬくまさんは退治屋を見守り続けているのです。
自分が始めたことでも、これはとても大変なことです。
たぬくまさん、いつもありがとうございます。

そして今年は、もしかしたら公式側から久しぶりに企画が立ち上がるかもしれない…!?
その日を楽しみに待っています。

たぬくまさん、インタビューへのご協力ありがとうございました。

(蒼)

  • 最終更新:2016-02-18 22:34:54

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